日本釀造協會雜誌
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桃色にごり酒の商品化
中野 成美佐藤 和幸千田 茂脇田 征也斎藤 至正須田 安彦長縄 真琴大内 弘造
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1984 年 79 巻 10 号 p. 695-699

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抄録

1. 清酒酵母のアデニン要求性変異株を利用して, 桃色にごり酒の商品化を試みた。
2. 使用麹の全部または大部分を酒母に投入し, 高温糖化または高温水麹を行うこと, 酒母対もろみの容量比を小さくする (3以下) こと, 及び酵母添加量を極端に多くする (通常所要培養液量の100倍以上) ことによって, 野生酵母の汚染を最小限におさえ, ピンクに着色した低アルコールのにごり酒を醸造することができた.
3. 桃色にごり酒にふさわしい特徴的な酒質とするために, ボーメ度5, 酸度5, アルコール分8付近の成分が適当であった。
4. 香味をできるだけ損わずに製品の発酵を抑えるための加熱条件として, 45℃ に10分問保持することが適当であった。
5. 試飲即売会において, 女性消費者の注目を集めた。

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