日本釀造協會雜誌
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固定化酵母を用いた米糖化液の連続発酵
清酒の連続醸造に関する研究 (第1報)
広常 正人仲田 冨士男浜地 正昭本馬 健光
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1987 年 82 巻 8 号 p. 582-586

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抄録
固定化酵母を用いた米糖化液の連続発酵における条件, 特に, 雑菌汚染を防ぐ方法について検討を行った。
1. pH 4.0に調整した米糖化液を通常の方法で連続発酵する場合は, 殺菌した原料糖化液を通液する必要がある。
2.固定化酵母カラムの前に, 固定化ゲルより溶出した遊離酵母を含む前槽を設置した場合, 前槽液中のアルコール分を平均4%以上に保つことにより, pH 4.0の糖化液を未殺菌のままフィードしても, 長期間にわたり汚染を防止できることが判った。
3.さらに前槽を撹拌した場合には, アルコール分を平均6%以上に保持することができ, pH未調整 (pH 5.5), 無殺菌の糖化液をフィードし連続発酵を行ったが, 45日間にわたり雑菌汚染もなく, 安定した酒質のものを得ることができた。
尚, 本報告の内容については, 昭和61年度日本農芸化学会大会において発表した。
終りに臨み, 本研究の遂行に当り, 終始ご指導を賜りました幣社常務取締役総合研究所長布川弥太郎博士に深く感謝致します。
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