日本醸造協会誌
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芋焼酎の風味に寄与する因子について
高峯 和則鮫島 吉廣
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2008 年 103 巻 8 号 p. 601-606

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抄録

芋焼酎が, その独特な “臭 (にお) い” を魅力的な「香り」として広く受け入れられるようになったのは, つい近年のことである。この魅力ある香りの正体は,「テルペノイド」と称する成分群であり,“癒し効果” があるといわれている。
芋焼酎の本場・鹿児島では, 晩酌のことを「ダレヤメ」(疲 (だ) れ休 (や) め) というが, これは “一日の疲れを癒し, 明日への英気を養うための飲酒” を意味する。特に湯割りで飲む芋焼酎の晩酌は,“アルコールの健全な吸収” と “心身の癒し” を促す「ダレヤメ効果」に基づく習慣であり, まさに庶民の知恵といえよう。
本解説では, これまでの研究成果に基づき, 芋焼酎の魅力的な風味に寄与する因子について, 原料サツマイモ, 麹菌, 酵母などの面から紹介する。

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