日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
固定化麹菌による清酒からの特異臭の除去
飯村 穣中村 重光五味 勝也原 昌道
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 83 巻 8 号 p. 555-558

詳細
抄録

麹菌 (Aspergillus oryzae) の分生胞子を包括法によリアルギン酸ナトリウムのゲル中に固定化後, 麹汁培地で静置あるいは振とう培養することにより固定化麹菌を調製することができた。この固定化麹菌を用いて清酒中の異臭の除去を試みたところ, 老香, アセトアルデヒド臭及び木香に対して特に高い効果が認められた。また, ゲル中での過度の菌体増殖を抑えることにより, 麹臭の発生を低くすることができ, 麹菌体を直接添加した際に生ずる麹臭の付着という弊害を除くことができた。
このほかに, アセトアルデヒド臭の除去効果は, 固定化麹菌の還元作用によることを示唆する結果も得られた。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本醸造協会
前の記事 次の記事
feedback
Top