日本醸造協会誌
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平成10年度味噌・食酢の研究業績
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1999 年 94 巻 5 号 p. 381-401

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抄録

平成10年度 (1998年度) の味噌の研究業績をみると, たゆまず研究が続けられていることが認められる。とりわけ完成された伝統食品としての位置を示すが如く, 味噌の機能性に関わる研究や解脱が多い。これらは古来, 食されてきた味噌が人類にいかに役立ってきたかを明らかにし, 21世紀の味噌業界の展望を明るいものにしている。一方, 近年とみに増してきた遺伝子組換え農産物を使用した食品の検出法も確立されてきている。これらに関わる問題に対しては, 今後, 感性よりも科学の目で評価し, 対処していく必要があろう。
食酢の研究業績に関して, 微生物では今日注目されている微生物セルロ-ス関係の研究が多く, 次いで酵素関係では遺伝子学的面からのアプローチが進んでいる。また製造面では液体培養の点から, バイオリアクターやプロセス制御の研究が注目され, さらに食酢の機能性や防腐・殺菌等調味料以外の効能に対する研究へと進展しつつある。

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