日本醸造協会誌
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耐塩性酵母のキラートキシン
鈴木 チセ
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2002 年 97 巻 4 号 p. 257-264

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抄録

酵母のキラー現象が発見されて40年近く経った現在, キラ4因子の構造や, その遺伝子, 作用機作についての研究が進み, さらにキラ4形を導入した醸造用酵母が造成され, 清酒, ワイン, ビール醸造分野への応用が試みられた。耐塩性酵母にもいくつかのキラー酵母が発見されている。永年, キラ4トキシンの基礎研究に携わって来られた筆者に, 本稿では主に耐塩性酵母Plchia farlnosaが生産するキラートキシンの構造・機能解析についての研究成果を解説いただいた。直接, 醸造と無関係のようでも, これらの基礎研究の知見が, いつか複雑な微生物の系である醸造分野のどこかで役立つ日が訪れることを念願する次第である。

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