熱傷
Online ISSN : 2435-1571
Print ISSN : 0285-113X
症例
広範囲熱傷に対し単層タイプのインテグラ®を用いた自家培養表皮移植の治療経験
森内 由季迎 伸彦吉牟田 浩一郎宗 雅諸岡 真石井 美里出光 茉莉江松尾 優実
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 47 巻 2 号 p. 54-59

詳細
抄録
 広範囲熱傷に対して自家高倍率メッシュ植皮と自家培養表皮 (ジェイス®) を併用したハイブリット法による治療は, 少ない皮膚で広範囲の創部を短期間で上皮化することができるという利点がある. 一方で, ハイブリット法を行うには事前に創部の真皮様母床形成が必要となる. 母床形成には一般的に2~4週間必要とされており, 母床形成期間中の創部感染が問題となる. 今回, 45%TBSAの広範囲熱傷に対してハイブリット法による治療を計画したが, 人工真皮貼付部が感染したため培養表皮移植予定8日前に人工真皮をすべて除去し再度デブリードマンを行った. そこに単層タイプのインテグラ®を使用することで母床形成期間を1週間程度に短縮してハイブリット法を行い, 二次収縮の少ない良好な瘢痕が得られ有用であった.
著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本熱傷学会
前の記事 次の記事
feedback
Top