67歳, 女性. 自宅で意識消失発作を生じヘアドライヤーの温風に曝露された状態で倒れているところを発見され, 前医に救急搬送された. 受傷5日目に手術加療目的に当院転院となり, 受傷14日目にデブリードマンとsuperficial cervical artery flapによる右頸部再建術および分層植皮術を施行した. 術後, 皮弁・植皮ともに生着良好であり, 術後14日目に退院となった. 国内外でヘアドライヤーにより生じた熱傷の報告は少ない. 本症例は日常的に使用する家電製品であるヘアドライヤーの使用中に意識障害をきたすことで長時間の温風曝露となり, 重篤な熱傷となった1例であった.