2013 年 53 巻 June 号 p. 77-81
要 旨:急性大動脈解離の大動脈外膜強度を切離直後に実測した。【対象と方法】手術時に切除された大動脈外膜をその場で矩形に形成し,張力計にて,大動脈の円周方向に断裂するまで引き伸ばし,伸び-張力関係を計測した。【結果】11例18検体を調べた。断裂するまでの伸びは4.2±1.1 mm/cm長で,最大張力は10.2±4.9 N/cm幅であった。【考察】大動脈外壁は弾性体であるが,自然長の140%以上の急激な伸展には耐えられない可能性が示唆された。