脈管学
Online ISSN : 1880-8840
Print ISSN : 0387-1126
ISSN-L : 0387-1126
症例報告
下大静脈フィルター留置10日後に腰動脈損傷をきたした1例
富田 啓人笠間 啓一郎佐波 拓哉鳥井 郁雄新村 大輔根岸 耕二鈴木 伸一浦中 康子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 62 巻 9 号 p. 83-88

詳細
抄録

症例は76歳,女性。労作時呼吸困難を認め前医受診し,肺血栓塞栓症の診断で当院転院搬送となった。CTで肺血栓塞栓症,下肢深部静脈血栓症を認め,下大静脈フィルターを留置した。10日後,腰痛出現しCTで後腹膜血腫,腰動脈損傷を疑った。同日緊急で血管造影,腰動脈コイル塞栓術施行し良好な経過を得た。下大静脈フィルターの留置による腰動脈損傷は稀な合併症であるが,常に念頭に置きながら治療に臨むことが重要である。

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事
feedback
Top