2014 年 11 巻 2 号 p. 89-94
目的:オカラの有効利用を目的に,Bacillus coagulans により発酵させたオカラをラットに投与し,盲腸内フローラや免疫系への影響を調べる.方法:生後 8 週齢の SD 系ラットを対照群,オカラ摂取群,オカラ発酵物摂取群の 3 群に分けて 14 日間飼育した.飼育期間中飼料と水は自由摂取とし,摂餌量は毎日測定した.実験期間終了後 24 時間絶食させ,ヘパリン採血を行い採血後臓器を摘出し,湿重量を測定した.また,採血後各群 3 匹について盲腸を切除し,盲腸内フローラの検索を行った.血漿中のアルブミン,ALT,AST,ALP,LDH,総コレステロール,トリグリセライド,グルコース,サイトカインについて測定した.結果:オカラ発酵物摂取群では bifidobacteria が有意に増加し,血中 IFN-g レベルも有意に増加していた.血中総コレステロール値は,有意な低下が見られた.結論:オカラ発酵物は腸内 bifidobacteria を増加させることで整腸作用のみならず,抗アレルギー作用など免疫系にも影響を及ぼすことが考えられ,機能性食品としての発展が期待できる.