抄録
目的:本研究では石川県産農林水産物の機能性を明らかにすることを目的に,これらの抗インフルエンザウイルス(IFV)作用について検討を行った.
方法:MDCK細胞にIFVを感染させ,熱水抽出物含有培地で24時間培養した.24時間後に上清のみを回収し,上清中のウイルス力価をフォーカス法により測定した.また,活性が確認できた試料についてはTime-of-addition assayを行い,ウイルス増殖過程における阻害段階を確認した.
結果:コゴミ,赤ズイキ,クワイ,シコクビエにおいて強い抗IFV作用を確認することができた.また,いずれの試料もウイルス増殖過程において複数段階で活性を示すことが明らかとなった.
結論:今回,計44種類の石川県産農林水産物の抗IFV作用を検討し,4つの試料(コゴミ,赤ズイキ,クワイ,シコクビエ)で強い活性が確認できた.また,これらに含まれる有効成分の単離・同定が今後の課題として残された.