2007 年 4 巻 1 号 p. 9-15
ブロッコリーの芽に含まれるスルフォラファン (Sfn) は,酸化ストレス応答転写因子 nrf2 を活性化することにより,細胞内の抗酸化酵素群を誘導し,酸化ストレスによる細胞障害を防止し,in vitro において抗 H. pylori (Hp) 作用を発揮する.我々は,Hp 感染マウス,およびヒト Hp 感染者において,Sfn 含有食品であるブロッコリースプラウト (BS) の摂取により Hp 胃炎を予防しうるか否かについて検討した.その結果,BS 投与によりマウス,ヒト両者において,Hp 菌数は減少し,胃炎は軽減した.以上より,Sfn 含有食品である BS の摂取により,Hp 胃炎の軽減効果が確認され,Sfn による胃癌予防効果が示唆された.