Journal of Computer Chemistry, Japan
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研究論文
メッセージ通信ライブラリを用いたプログラムの並列化例と計算速度および計算精度の評価
田村 克浩稲富 雄一長嶋 雲兵
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キーワード: 並列計算, SPMDモデル, MPI
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2002 年 1 巻 1 号 p. 29-36

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抄録
2進数における循環小数である10進数の0.1を109回逐次加えるプログラムと104回の部分和をとり、これを105回加え最終的に109回加えるプログラムを作成し、メッセージ通信ライブラリMPIを用いてプログラムの並列化を行った。これらプログラムをAlta Technology AltaCluster、Hitachi SR8000、IBM RS/6000 SP、SGI Origin2000の計4種類の並列計算機を用いて8CPUまでの実行速度および計算精度の評価を行った。その結果、通信量が演算量に比べて小さいため、いずれの並列計算機でもほぼCPU数に応じた高速化が図ることができた。また、計算精度はそれぞれのプログラムとも4つの並列計算機で全く同一であった。逐次加えていく場合は、情報落ちにより正確な解が得られないが、並列化により精度向上が観測された。104回の部分和を加える場合は、逐次計算でも正しい解が得られるが、並列処理によりわずかな精度劣化が見られた。
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© 2002 日本コンピュータ化学会
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