2023 年 11 巻 p. 54-65
研究目的は,倫理カンファレンスにおけるタイムリーな多職種倫理コンサルテーションチーム(ECT)介入の効果と問題を明らかにすること。カンファレンス参加者9名を対象に半構成的面接調査を実施し,質的記述的に分析した。効果は【タイムリーに検討できる】【多職種の意見を把握したうえで一緒に検討できる】【症例を丁寧に客観的に検討できる】【ECTに相談の場をファシリテーションしてもらえる】【考え方や道筋が整理できる】【多様な気づきが得られる】【医療チームで患者の意向に沿った支援ができる】【医療者間で認識を統一し,支援方法を共有できる】【病院全体の総意として検討できる】【医療者が自信をもって支援できる】【医療者の心理的負担が軽減する】【新たな知見を得て,別の症例に活用できる】,問題は【倫理に関する知識不足】【ECTと対等に意見交換できない】【期待した成果が得られない】【個別性が高く,検討内容を応用できない】の全16カテゴリーが抽出された。