臨床倫理
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論壇
当院における倫理への取り組み
奥澤 淳司
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2017 年 5 巻 p. 63-65

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抄録

 近年,医療機関を取り巻く環境は多様化と複雑化により,身体的特徴に加え,国籍,言語,文化,宗教等の様々な背景や価値観を持っており,これらの多様な倫理に基づいた対応が求められている.順天堂大学医学部附属順天堂医院では,国際認証の1つであるJoint Commission Internationalの取得を機に,倫理の枠組みを医療倫理,職業倫理,研究倫理に分け管理体制の抜本的な見直しを図った.医療倫理では患者の人格,価値観を尊重し,患者自らの意志で治療方法の選択できるよう整備した.職業倫理では,倫理的懸念が生じた際の相談窓口を設ける等して健全で安全な医療文化の浸透に努めた.研究倫理では,国内の各種法令等の遵守に加え,社会的弱者への配慮に努めた.

 今後の医療機関には,国際基準を踏まえた文化的背景を尊重した医療の提供が不可欠であり,全職員がこれらを理解,実践することにより,最良の医療をより多くの患者に提供できるものと考えられた.

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© 2017 日本臨床倫理学会
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