臨床倫理
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高齢患者の身体拘束に対する看護系大学生の認識:1年次生と4年次生との比較から
今井 多樹子木村 美月
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2019 年 7 巻 p. 33-43

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抄録

 高齢患者の身体拘束に対する看護系大学生の認識を1年次生と4年次生(各5名)の面接内容を基に各々KJ法で構造化し,両者の認識を比較検討した。類似性としては,身体拘束に対して【否定的な認識】を抱きつつも医療安全の観点から【身体拘束が必要な現状】を認識し,最終的な手段として【身体拘束に至る前の創意工夫】と【身体拘束中の苦痛緩和】を求めている点が浮かび上がった。一方,独自性として,1年次生は身体拘束について【未経験でわからない】ながらも【臨床看護師から学ぶ】ことと【患者と向き合う倫理的態度】で探求しようとしていた。これに対して,4年次生は【身体拘束の解釈には個人差がある】がゆえに【看護師の倫理観に対する批判的な見方】をしており,【医療チームでの最終的な判断・対応】や【倫理的配慮】の必要性を認識していた。

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© 2019 日本臨床倫理学会
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