抄録
本研究室ではバイオエレクトリクス分野に注目して、パルスパワー印加による生体への影響について調査してきた。数年前より研究対象をメダカ卵、パルスパワーとしてパルス幅が数ns~数μs、印加電圧が数百V~十数kVを用いて実験を行ってきた。その結果、外見に変化が見られない、あるいは卵黄が縮むという影響が観測された。なかでも、ナノ秒オーダーのパルスパワーを用いた場合、卵内の細胞を傷つけることなく卵の外殻のみに作用し、メダカ卵周辺の物質を卵内に高効率で導入している可能性があることが分かってきた。現在はパルスパワーを用いた物質導入システムの確立を目的とし研究を行っている。