抄録
近年の環境汚染に対し注目されている技術の一つに光触媒がある。光触媒は光の力によって他の物質の化学反応を促進させる技術であり、空気清浄機や建造物の壁面などに組み込まれ製品化されている。しかし、紫外光にしか反応しないため、その可視光応答化の研究が広く行われている。また、酸素欠損型可視光応答光触媒TiO2-xはその経日劣化も問題となっている。本研究ではTiO2-xにおける経日劣化の原因を空気中の酸素とTiO2-xの再結合であると考え、その改善法を研究した。その結果、酸素欠損型可視光応答光触媒の表面を300℃付近で加熱処理することにより劣化抑制と性能向上を実現できることを示した。