抄録
エネルギー有効活用の観点から環境エネルギーを用いた発電が注目されており,その中で温度差をエネルギー源とした熱電発電が知られている.著者らは先に,温度差検出による熱電発電用MPPT制御法を提案し,有効性を明らかにした.しかし,従来手法では3つのセンサを要し,システム全体の経済性を悪化させてしまう.本論文では単一センサ方式MPPT制御法を提案する.これは,状態平均化法による昇圧チョッパを用いた熱電発電システムの線形解析により熱電素子出力を推定することで,熱電素子の内部抵抗特性から電力の演算をすることなくMPPT制御を実現できる特長がある.計算機シミュレーションにより提案手法の有効性を明らかにしたので報告する.