抄録
本研究では、DCT(離散コサイン変換)を用いて画像を拡大する手法を提案する。従来法では、DCT係数の高周波成分を0として逆DCTを行っていた。しかし、この手法では拡大画像のエッジ部分にリンギングが発生し、一般的手法よりも不自然な画像となる場合があった。提案する手法では、まず拡大画像に生じるリンギングを検出し、それを抑制する高周波成分を推定する。さらに原画像のラプラシアンから拡大画像を先鋭化する高周波成分を推定し、これらの高周波成分をエッジ強度を重みとして合成する。得られた高周波成分を用いて逆DCTを行い画像を拡大する。提案手法と従来法を比較した結果、従来法よりも高画質なな拡大画像が得られた。