抄録
我々は，無方向性ケイ素鋼板で構成された積層鉄芯を用いたリアクトルにおいて，積層構造により磁束が鉄芯表面に集中し，これにより損失が増大することを明らかにするとともに，積層鉄芯の形状を改良し，磁束の偏りを緩和することにより損失を低減する方法を提案し，その有用性を実器で確認した．今回，三次元磁界解析法を用いて方向性ケイ素鋼板で構成された積層鉄芯を用いたリアクトル中の磁束分布を詳細に解析し，その磁束分布を等方性材料のそれと比較検討した．その結果，方向性ケイ素鋼板の方が透磁率が高いため，磁束の鉄芯表面への集中が大きいことが確認された．
