抄録
西日本60Hz系統は東西に長く延びた長距離くし型系統を構成しており、周期が2~3秒の広域動揺が発生する。この動揺は弱制動の特性を有しており、その不安定性が懸念されている。そこで、位相計測装置PMU を日本各地の大学に分散設置することにより、広域動揺の観測を行ってきた。また、電力会社においては自社系統内各地で位相や電力などの各種データ収集が行われている。本論文では、九州電力管内の北九州変電所で計測された電力変動データと、PMUによって計測された九州工業大学と名古屋工業大学の位相差データを用いて、広域動揺を抽出し、P-δ曲線を描き、安定平衡点の状態の図示を行うことで電力系統の動特性解析を行った。