抄録
現在の日本の農業において離農者の増加や、新規就農者の減少による後継者不足が深刻となっている。これは、農業を引き継ぐ後継者がいないため、安定した収穫量を得るために必要な経験や勘の継承が難しくなっている。このため、新規就農者は安定した生産を上げることが困難である。本稿ではフィールドの情報を直感的に把握するための作業支援システムの検討を行う。拡張現実技術を使用し、モバイル端末上にセンサの情報を可視化することで、経験の少ない新規就農者でも次に行う農作業のスムーズな選択の支援を提案する。提案手法を実装し、農業従事者にアンケートを行い、本提案手法が作業支援ツールとして有効なアプローチであることを示す。