抄録
正準相関分析(CCA)を用いて,顔表情画像の主観評価値の各クラスへのメンバシップ値(帰属度)を求める方法について検討した.複数の被験者に,各表情画像の快不快,覚醒沈静の度合いを指定してもらい,その平均値を主観評価値とする.顔表情画像と主観評価値から,学習データ群の主観評価値5段階のクラスへのメンバシップ値を計算する.この値は0から1の値を取る.CCAもしくはカーネルCCAによって,顔表情画像とメンバシップ値との相関関係を解析し,テストデータのメンバシップ値を推定した.この結果,テストデータの実際のメンバシップ値と推定値との平均2乗誤差は0.18程度となり,高い精度が得られた.