抄録
プラズマ照射を用いた細胞の活性制御を目的として,大気圧プラズマ照射によるパン酵母の増殖促進を試みた.実験にはバリア放電を用い,照射時間を変化させ直接粉末酵母に距離1mmで照射を行った.照射後の酵母は生育培地に懸濁し,マルチウェルプレート上に分注し振盪培養を行った.増殖曲線は波長660nmの吸光度の時間変化を測定し求めた.プラズマ照射を行った酵母は未照射の酵母と比較し,増殖曲線中における遅滞期の期間が短くなる傾向を示した.この結果は酵母の細胞周期が照射により加速されている可能性を示唆している.