抄録
マトリックスコンバータは,商用三相交流電圧を振幅可変,周波数可変の交流電圧に直接変換する変換器であり,従来の整流回路–インバータのシステムに比べて,効率,EMI,小型軽量化可能等の点で優れていることから盛んに研究が行われている。本論文では,筆者らが先に提案したパルスパターン改善空間ベクトル変調方式についてシミュレーションにより検討を行い,提案の変調方式を用いれば,出力電圧指令値の大きさに応じて,使用される空間ベクトルの種類が自動的かつシームレスに切り替えられることにより,出力電圧ひずみが低減されることを明らかにしたので報告する。