抄録
私たちが生活する空間のガスを検知し,濃度分布を調査するには,高速でなおかつ高感度なガスセンサが必要である.そこで,化学結合を必要とせず,一般に使われている半導体センサ(応答速度:~1分)より高速な応答(1秒以下)が得られるAuNPsの局在プラズモン共鳴現象(LSPR)に着目した.しかし,LSPRによる光の吸収は小さいため,検出感度を高くすることは容易ではない.そこで,金ナノ粒子を導電性ポリマーと複合させて,この複合体の光導電性変化をセンサ信号として用いる新たな手法を試みた.本研究では,複合体を作製し,その吸収スペクトルと光導電特性の測定から,LSPRと導電性ポリマーの光相互作用の調査とガスセンサへの応用を行った.