抄録
ブロック暗号HyRALは2010年に(株)ローレルインテリジェントシステムズによって提案されたブロック暗号である。演算要素としてバイト単位の転置、非線形処理及びXORで構成されており、データブロック長は128bit、秘密鍵長は128bitをサポートしている。本研究ではHyRALを取り上げ、安全性の検証を行う。HyRALは鍵長128bitの場合は24ラウンド構成で、64階差分を用いた場合9ラウンドの高階差分特性が存在する。この特性を用いた高階差分攻撃を行うと、11ラウンドHyRALに対して計算量2101での攻撃が可能である。本研究では、暗号文の中間データに対して暗号解読技術mod2頻度分布を適用することで更なる計算量の削減を行った。この結果、計算量263まで削減することに成功した。