抄録
本来、簡便な通信相手の生存確認方法としてICMPエコー要求(ping)が用いられていた。しかし、セキュリティへの配慮から端末へのパーソナルファイアウォール(PFW)機能が標準搭載されるようになったことにより、pingが事実上無意味なものになってしまった。一部のアプリケーションプロトコルでは、このことによる不具合も生じており、pingに代わるPFWの影響を受けない簡便な通信相手の生存確認法が必要である。そのため、本研究ではその実現を目指し、アドレス解決のためのパケットを必要に応じて転送するAddress Resolution Protocol(ARP)転送を提案しており、実現性も確認している。今回は提案方式の転送器を実装し、ARPによる隣接サブネットワーク間での生存確認を実現した。