抄録
近年、超臨界流体内における放電プラズマの生成により、新物質の合成や化学反応効率の向上など、様々な研究成果が報告され始めている。著者らは、超臨界流体の持つ高い絶縁性と熱伝導性に着目し、電力用スイッチング媒質としての実用性について検討してきた。媒質には、比較的低い温度・圧力で超臨界状態へと相転移する二酸化炭素を採用した。 これまでの研究で、超臨界二酸化炭素は液体二酸化炭素よりも絶縁回復速度が速いことを見出したが、回復する過程を観測する段階には至っていなかった。 本研究では、YAGレーザーによるシャドウグラフ法で液体及び超臨界二酸化炭素内における絶縁回復過程を詳細に観測したため報告する。