抄録
本研究は、表面界磁永久磁石同期電動機(SPMSM)の高回転センサレス駆動に関するものである。センサレス制御手法の一つとして、相電流測定により誘起電圧を推定し、そこから速度と位置情報を得る方法がある。誘起電圧のモデルはいくつか提案されており、従来では比較的簡単な1次モデルで実験を行っていた。しかし、高速回転時は原理的に推定誤差が生じてしまう。そこで、定常状態での誤差が生じない正弦波誘起電圧オブザーバを提案する。供試機には、定格回転数6000min-1、15000min-1の2つのSPMSMを用い、正弦波誘起電圧オブザーバの有効性を確認したので報告する。