抄録
無向グラフのクリークとは,任意の2頂点間に辺が存在する部分グラフのことである.最大クリーク問題とは,無向グラフにおいて最大のクリークを探索することを目的とする問題であり,数多くの研究が行われている.ランダムグラフとは,頂点数nと辺連結確率pというパラメータを決定し,n個の頂点に対して任意の2頂点の組を確率pで辺連結することで生成されるグラフである.このランダムグラフにおける最大クリークのサイズは,ランダムグラフの生成パラメータと密接な関係があることが知られている.本稿ではクリークの拡張モデルである直径2-クリークおよび直径2-クランのサイズと,ランダムグラフの生成パラメータとの関係性を考察する.