抄録
鉛蓄電池は100 年以上の歴史があり,最近では,劣化した鉛蓄電池の再生技術も確立してきている。数十年単位で取り換えることを考えると,より経済的な蓄電池である。鉛蓄電池の劣化抑制手法についても,ここ数十年で研究が進んでいる。本研究では,4 種類のアクリル系増粘剤を添加剤として使用し,新品の鉛蓄電池を用いて充放電サイクル試験における放電時間の変化や放電容量を検討した。その結果,高い粘度を有するポリアクリル酸及びカルボン酸部分の水和により3 次元網目構造が発達するカルボン酸系共重合体を鉛蓄電池の添加剤として使用することで,放電時間の減少を抑え,劣化を抑制できることが明らかとなった。