抄録
光安定かつ高発電効率の水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)太陽電池を実現するために,成膜領域へのマルチホロー放電プラズマの拡散に対する電極構造の影響を調べた.製膜領域へのプラズマ拡散を抑制するため,3種類の電極構造を比較した.それらは,構造1) 1mm厚の接地電極, 構造2) メッシュを装着した1mm厚の接地電極,構造3) 10mm厚グランド電極である.構造3),2),1)の順に製膜領域へのプラズマの拡散が抑制される.Si-H2結合量は,構造1)では13.48at.%,構造2)では2.19at.%,構造3) では1.23at.%である.以上のように,10mm厚グランド電極を用いると,製膜領域へのプラズマの拡散を最も抑制でき,膜中へのクラスタ取り込みが抑制されることが明らかになった.