抄録
結晶半導体薄膜の低温形成法として層交換結晶成長法が注目されている。この方法の課題は、20時間もの長いプロセス時間である。最近我々は、スパッタリング法を用いて、低温かつプロセス時間10分で層交換結晶成長を実現した。本講演では、プラズマを用いた低温高速層交換結晶成長機構を明らかにするため、層交換結晶成長に対するAu触媒の膜厚の効果についての実験結果を報告する。膜厚30nmの金薄膜において、Auの結晶粒径は基板温度の増加とともに単調に増加することを明らかにした。この結果は、層交換結晶成長がGe原子の拡散と結晶による拡散阻害のトレードオフにより決定していることを示唆している。