抄録
1フォトンの吸収で2つ以上の電子・正孔対を生成する多重励起子生成は、太陽電池の効率を大きく向上させる可能性がある。本研究では、バンドギャップが0.67eVと小さく、励起子ボーア半径が24.9nmと大きい、多重励起子生成発現に有利なGeに着目した。Geナノ粒子は、1.5Torrで、Ar+N2を用いたRFスパッタリングで作製した。N2希釈によるプラズマの変化を、発光分光法とプラズマ吸収プローブ法により測定した。N2の少量添加でGe、Arの発光強度、および電子密度が大きく減少した。また、N2希釈率が5%で作製したGeナノ粒子膜のGe:N比は1:3であり、窒化の進行が早いことがわかった。