抄録
本研究では,表面プラズモン共鳴(SPR)センサを用いて代表的な爆薬であるトリニトロトルエン(TNT)の置換法による検出を行うため, ポリN-ビニルホルムアミドを用いたSPRセンサ表面の開発を行った. ポリN-ビニルホルムアミドに加水分解によりアミノ基,さらにコハク酸を用いてカルボキシル基を付与し,電荷のバランスを調整した.このポリマーをセンサ表面に自己組織化単分子膜を介して固定化し,非特異的な吸着を抑制することができた.このポリマーのアミノ基にTNT類似物質であるm-ニトロフェニル酢酸を結合し,置換法によるTNTの測定を行った.その結果,TNTの検出限界は0.9ppbとなった.