抄録
分子インプリント吸着剤のガス分子選択性は、テンプレート分子に対して非常に高く有用であるが、立体構造中に固定された分子結合サイトの形によって応答は単一となり定性分析等には向かない。本研究では、圧電性により立体構造が歪む強誘電体に着目し、分子インプリント技術を導入して、ガス分子結合サイトを変形させ吸着剤の応答変化を得ることを目的とした。材料には有機強誘電体のPVDF (Poly vinylidene fluoride)とメタクリル酸をモノマーとしたMIPビーズ等を用いて、吸着剤は手法を変え数種類作成した。作成した吸着剤に高電場を印加する前と後での吸着特性を各々GC/MSで測定し、MIP化していない吸着剤と比較することで、各々の手法で作成した吸着剤の性能を評価した。