抄録
ZnSexTe1-x はSe組成によってバンドギャップを2.0eV~2.7eVまで変えることができる混晶半導体材料である。本研究では原料としてジメチル亜鉛, ジエチルセレン(DESe),ジエチルテルル(DETe)を用いて減圧有機金属気相成長法により(001)ZnTe基板上に390℃と低い基板温度でZnSexTe1-x膜を成長させた。DESeはDETeに比べて熱分解効率が低いので,高いSe組成を有するZnSexTe1-x 膜の成長にはDETe供給量に比べてDESeのそれを非常に大きくする必要があった。ZnSexTe1-x 膜の低温フォトルミネッセンススペクトルにはSe組成に応じて特徴のある発光ピ-クが見出され,発光ピ-クエネルギ-はSe組成に対しZnSexTe1-xのバンドギャップと同じように極小傾向を示した。