抄録
Zn1-xMgxTeはZnTe系純緑色LEDのクラッド層として有望な材料である。本研究では減圧MOVPE法を用いてZn1-xMgxTe膜を成長させ、各種の原料供給量がZn1-xMgxTe膜のMg組成やフォトルミネッセンス(PL)スペクトルなどにどのような影響を及ぼすかを調べた。原料にはDMZn, (MeCp)2Mg,DETeを用い, 基板温度390℃,成長室内圧力500Torrで成長を行った。 (MeCp)2Mg供給量のみならず,DMZn供給量もDETe供給量もZn1-xMgxTe膜のMg組成に影響を与えた。DMZn供給量やDETe供給量の減少はMg組成の増加に効果的であり、またフォトルミネッセンスの深い準位の発光を抑え、バンド端近傍での発光を促進するのに効果的であった。これらの効果は、(MeCp)2Mgの寄生反応の抑制などに関わることが推察された。