抄録
近年,風力発電機ブレードへの雷害が深刻化しているが,雷がブレードを貫通するメカニズムについては詳しく調査されておらず,特に,雷(放電)の電界,温度,圧力,直径等のどのような要素がブレード(又は絶縁体)の貫通の主因となっているのか明らかにされていない。そこで我々は,ブレードを模擬したPVC製の絶縁シートに対し,雷を模擬した正極性の雷インパルス放電を印加して,貫通のメカニズムを調査するための基礎実験を行った。その結果,厚さが異なる全てのPVCシートにおいて,穴・変形・変色部分が確認され,厚さの増加に伴い各部分の直径が大きくなることが分かった。その要因の一つとして,破壊電圧と発生する熱量の違いが考えられる。