抄録
本研究ではPLD法(Pulsed Laser Deposition法)を用いNd-Fe-B系磁石膜を作製する際の表面平滑性に及ぼすターゲットの影響を検討した。Nd2.4Fe14B組成を有する2種類のターゲット(ターゲットAならびにターゲットB)において,レーザパワー2 Wで成膜した際,成膜および熱処理後に得られた試料の磁気特性は、ほぼ同程度であるものの,ターゲットより飛び出す粗大粒(ドロプレエット)の大きさや量が著しく異なる様子が観察された。この原因を調べるために,成膜後のターゲットの表面状態を観察したところ,各ターゲットにより削られ方が著しく異なり,磁石膜の表面平滑性を向上できることが明らかとなった。