抄録
PLD方により作製されたSm-CoおよびNd-Fe-B厚膜磁石を樹脂埋め、研磨して、1.6 MA/mまでの磁界を印加した場合の磁化過程における厚膜断面の磁区構造変化をKerr効果顕微鏡により観察した。磁界印加により磁区コントラストの変化を確認し、その磁化反転領域は約5μmであった。厚膜磁石の結晶粒径がnm寸法であることを考えると、多数の結晶粒が集団で磁化反転していると考えることができる。結晶粒間の相互作用によって低保磁力の結晶粒の磁化反転が周辺の結晶粒に伝搬したものだと考えられ、これは保磁力低下の原因となり得る。