抄録
Rb2O-, K2O-, Na2O-及びBaO-TiO2の2成分系のガラスをスプラット・クェンチング法により作製し, ガラス生成領域を決定するとともに, ガラス中のTi4+の酸素配位数を赤外線分光法 (IR) 及び光音響分光法 (PAS) により推定した. 電子線回折で確認したガラス生成領域は推定冷却度が高くなると広く, また添加酸化物の塩基度が大きいほどガラスを生成しやすい傾向を示した.
これらガラスのPASスペクトルはIRスペクトルよりもTi4+の酸素配位数の変化を反映する傾向を示した. 2成分チタネートガラス中ではTi4+(4) とTi4+(6) が共存し, その存在割合を支配する因子はガラスの塩基度と考えられた. PASスペクトルの計算機解析によって2成分チタネートガラス中の酸素4配位したTi4+(4) と酸素6配位したTi4+(6) の存在割合を計算した. すなわち, Ti4+(4) はガラスの塩基度の増加に伴い増加する傾向を示し, このTi4+(4) の存在割合は塩基性酸化物陽イオンのイオンポテンシャルを用いた塩基度パラメーターで系, 組成によらず整理できることを見いだした. また本実験からPASがTi4+の酸素配位数を検討する上で有用な分光法と考えられる.