抄録
近年、土とジオテキスタイルを使用した補強土による「補強土防護擁壁工」が落石対策を主に実績が増えてきている。この工法は土の柔軟性による衝撃緩和効果と補強土の耐力(強さ)を併せ持ち,広範囲のエネルギー(100~5000KJ以上)に対応できるとともに、現地発生土や流用土を使用することでコスト削減にも努める工法である。過去、落石に対する実用性の試験を数回実施しているが、今回の実験では急傾斜地における土砂崩壊を想定して、実物大モデルに石及び土砂を衝突させて補強土防護擁壁の耐久性を確認した。実験では2つのタイプによる防護壁を構築した。本編では実験モデルの構造・施工方法および計測結果について報告する。