脳神経外科ジャーナル
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Brown-Sequard症候群を呈した胸髄脊髄ヘルニアの1例
梶原 基弘花北 順哉諏訪 英行塩川 和彦斉木 雅章織田 雅
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2001 年 10 巻 6 号 p. 389-393

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抄録
9年前に背部打撲の既往があり, Brown-Sequard症候群を呈した脊髄ヘルニアの症例を報告した。MRI上Th4/5レベルにおいて, 脊髄が腹側に偏位しており, その背側にクモ膜嚢胞と思われる領域を認めた.手術にて脊髄背側のクモ膜嚢胞と腹側硬膜欠損部への脊髄ヘルニアを確認し, これを整復, 硬膜形成術を行った.MRIの登場以後, 脊髄ヘルニアの報告例は増加してきており, 従来考えられてきたほど稀な疾患ではないと思われる.硬膜欠損の成因が病態の基本であるが, そのメカニズムについては推論の域をでていない.大きく, 特発性と外傷性に分類されるが, 文献的考察にてそれぞれの臨床的特徴を考察した.今回われわれが報告した症例は, 背部打撲の既往を有するものの, 特発性の範疇に入ると考えた.
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© 2001 日本脳神経外科コングレス

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