脳神経外科ジャーナル
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重症クモ膜下出血の治療方針
貫井 英明堀越 徹八木下 勉杉田 正夫
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2002 年 11 巻 3 号 p. 186-195

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抄録
grade IV, Vの重症クモ膜下出血の治療方針をまず文献的に検討したが, 報告ごとに採用している重症度分類, 重症度判定の時間, 手術時期が異なり, さらに同じ分類でも各gradeの内容が同じではなく, 手術適応条件も違うため, 手術成績から治療方針を検討することはできなかった.そこで自験例で付帯条件なしのHunt and Kosnik分類のgrade IV(JCS30〜200,GCS4〜10)とV(JCS300,GCS3)を用い, 手術前に重症度を判定したgrade IV131例, grade V15例の手術成績を分析した.その結果, grade IVでは発症前に正常な日常生活が可能で, 重篤な全身合併のない80歳までの例では, 発症後24時間以内の可及的早期に手術を行う必要があり, grade Vは基本的に手術適応はないという結論に達した.
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© 2002 日本脳神経外科コングレス

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