脳神経外科ジャーナル
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重症クモ膜下出血の治療 : 治療適応とその根拠に関して
塩川 芳昭栗田 浩樹齋藤 勇
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2002 年 11 巻 3 号 p. 196-201

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抄録
重症クモ膜下出血(SAH)の治療に関して過去12年間の自験1,012例を解析し, 現時点では以下の方針をとるのが合理的と思われる.(1)発症直後搬入あるいは後頭蓋窩動脈瘤でCT所見に比べて意識障害が重度のもの, および意識障害の主因が脳内血腫や急性水頭症による頭蓋内圧亢進例を理論的な治療適応とする.(2)来院時grade Vで脳幹反射消失例, 低酸素障害が疑われる症例は予後絶対不良であり, 治療対象としない.(3)overall management resultによる評価を重視し, かつ無効な治療例の除外が不完全であっても, そのなかの救い得る症例を確実に治療対象とするうえで, 来院時における重症度評価と徹底した鎮静を行う.
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© 2002 日本脳神経外科コングレス

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