抄録
頭痛の診療は, 国際頭痛分類第2版と, 慢性頭痛の診療ガイドラインを活用して行う. 片頭痛には多くの急性期治療と予防療法が存在する. トリプタン (セロトニン1B/1D受容体作動薬) は片頭痛の特異的治療薬であり, 現在 (2011年9月), スマトリプタン, ゾルミトリプタン, エレトリプタン, リザトリプタン, ナラトリプタンの5種類, 錠剤, 口腔錠, 点鼻液, 皮下注射液ののべ10製剤が使用可能である. 満足するトリプタンの効果を得るには, 的確な診断と, アロディニア出現前の早期服用が求められる. 頻回使用 (月10日以上) により薬物乱用頭痛を招くので, そのおそれがある場合は片頭痛予防療法を併用する.